GO GO NASH!番外編
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THANK YOU HIROES FACTORY!
これから書く話は、正直ここで書こうかどうしようか真剣に迷いま
した。
でも、事実を知っている人がいる訳だし、現実におこった事でもあ
り、さらにはその起こった事によって、大変ご迷惑およびお世話に
なった方々がいる訳だから、そういった方たちのためにも事実をき
ちんと書こうと思い、記事にする事にしました。
その前に・・・。
前置きをさせて下さい。
あっ、あと今回はまたスペシャルに長いです。
なので長文が苦手な方は、パスして下さい。
それでは、行きます。まずは、前置きから。
ワタシは、オールドアメリカンを主に紹介している一般雑誌によく
ある、「いや〜〜、出先でクルマが壊れちゃいましたよ〜」とか、
「買ってから、なかなか動きませ〜ん」といった、クルマに起こっ
たトラブルをおちゃらけた感じで紹介する記事が大嫌いなのです。
その理由としては、ただでさえ一般のオールドアメリカンに乗って
いない人々というのはそれらに対して、(クルマの)値段が高い、
そのくせ壊れる、壊れたらなかなか直らない、そしてパーツも修理
代も高い、さらに燃費も悪いといった、かなりネガティブなイメー
ジを持たれているのが現実です。
にも関わらず、それをまるで煽るかのような記事を書いて、さらに
欠点を宣伝してどうするんだよボケ!!と思うからなのです。
本来ならそういうネガティブな事ではなく、買って、持って、乗っ
て、楽しいというポジティブな事をどんどんと紹介すべきなのに、
必ずといっていいほど、それらの雑誌のどこかには壊れた事をさも
自慢げに書いている記事を目にするのです。
そういった記事を読むたびに、「アホかこいつらは!!壊れる事を
宣伝して一体なんのメリットがあるんだ!」と真剣に思うのです。
そのためワタシは、ワタシのTHE PUSSY WAGONに関してはカス
タムした記事や、あちこち出かけて来たという記事は載せますが、
故障に関しては今まで「そんな事は載せる必要はない」と思い、一
切記事にはしてなかったのです。
というか、大げさではなく今まで本当に故障知らずで、特にパンプ
キン・サリーでエンジンスワップをしてからは、さほど大きな修理
というのには無縁だったため、逆にネガティブな事を載せようにも
ネタが無いというのが現実でした。
ここまでが前置きです・・・。
しかし、先日の日曜日に福島に取材に行く途中に、THE PUSSY
WAGONは東北道の栃木県那須インター手前付近にて、突然エンジ
ンが止まってしまいました。
故障の原因は、デスビ。
そう、ディストリビューターという電気を分配する部品が突然逝っ
てしまったのです。
そうなってしまうと、もうこれはパーツの交換しかありません。
しかし、デスビのスペアパーツを持ち歩いていなかったワタシは、
その場では直す事ができず、結局JAFの積載車に載せられ一番最
寄りの那須インターまで運んでもらい、そこでひとまず待機するし
かありませんでした。
何を待機、待つのかというと、 助けてくれるであろう人をです。
その助けてくれるであろう人とは、福島のHIROES FACT
ORYの社長、盛藤さんです。
今回取材をおこなう予定だった、ダッジ・ロードスターのオーナー
モリオさんや、シェビーのオーナーオオタさんの連絡先を教えてく
れたのは、何を隠そうHIROES FACTORYの盛藤さんで
した。
HIROES FACTORYといえば、福島ですでに9年もの間
ショップをやっていて、老舗的な存在のお店。
その盛藤さんなら「きっとデスビのパーツを持っているはず」と思
い朝になるのを待ち、盛藤さんの携帯にSOSのコールをしました。
THE PUSSY WAGONが突然ストップしてしまったのが、朝6時
ちょうど。
そこから待つ事4時間。救世主盛藤さんと連絡が付き、デスビのバ
ーツを持ってこれから那須まで来てくれるという事になりました。
そしてさらにそこから待つ事2時間。
ちょうどゴロゴロと雷が鳴り始め、ポツポツと雨が降り出した頃盛
藤さんと、ダッジのオーナーモリオくんが那須まで助けに来てくれ
たのです。
とりあえず、デスビのキャップを外してもらうと、すぐに故障の原
因が判明しました。
それは、ローターと呼ばれるパーツが根元からポッキリと折れてい
たのです。
「これじゃあ、電気は飛ばないですね」と言いながら、盛藤さんは
パパパッとデスビのキャップを交換してくれ、スターターを回すと、
THE PUSSY WAGONは一発で息を吹き返しました。
しかし、すでにその時点で取材先である須賀川は大雨で、7月30
日の記事でもお伝えした通り結局取材はあきらめ、出直す事になっ
てしまったのです・・・。
もしもデスビが壊れずに、予定通り取材先に着いていれば、恐らく
午前中の内に撮影は終わり、休みを取ってくれたモリオさんにも迷
惑はかけずにすみました。
そう思うと、本当に申し訳ないです。
しかし、過ぎてしてしまった事を言っても仕方ないので、とりあえ
ず翌週にまた出直してくる約束をして、午後3時半頃だっかな、モ
リオさんたちのガレージを後にして、今度はさらに北に位置する福
島市にある HIROES FACTORYに向かおうと思って、ガ
レージの駐車場を出ようとバックでハンドルを切った瞬間・・・。
足回りのどこかのパーツが外れたか、破損したのです。
それは、ハンドルが突然異常なまでに軽くなった事で、瞬間的にわ
かりました。
というか、実はその前から前兆は出ていて、東名から首都高を抜け
て東北道に入ったのですが、その首都高を走っている時から、ハン
ドルから振動が出始め、それは少しずつ、しかし確実に大きくなっ
ていったのです。
そのため「どちらにしても、一度 HIROES FACTORYで
足回りを見てもらおう」と向かってる最中から思っていて、その事
は那須で救援をしてもらった時から、盛藤さんに伝えてありました。
しかし、その盛藤さんのところに向かう前に、どこかが壊れてしま
いハンドルが異常に軽くなったのです。
それでも、「ここで止まる訳にはいかない。なんとかして、 HIR
OES FACTORYまでは走ろう」と決め、フワフワのどこに
行ってしまうかわからないような頼りないハンドルを握りしめ、走
ること約1時間。
なんとか HIROES FACTORYに着き、すぐに盛藤さんに
足回りを覗き込んでもらうと・・・。
な、な、なんと、運転席側のロワーアームが折れていたのです!!
Oh my god!!!!!!!
無惨なまでに破断しているロワーアーム。
こちらは、ナットの部分。
正直、この部分を見た時は「死ななくて良かった・・・」と思い
ました。
また、ある意味知らなかったからこそ走れたのであって、これが須
賀川の時点でロワーアームが折れていたと知っていたら、もちろん
走ってはいなかったでしょう。
そしてこんな事になってしまった原因は、まず考えられるのが金属
疲労です。
なんせTHE PUSSY WAGONは、1955年式。
今から52年も前の自動車です。
そして、V8をスワップしてからは、特に調子良くなったせいもあ
り、昨年おこなった日本縦断に代表されるような、「いつでも、ど
こでも、必ずTHE PUSSY WAGON」といった感じで、公私とも
に本当にガンガン乗り回していました。
しかし、V8エンジンになった事により、加重もかかるようになっ
て、恐らくこのロワーアームに負担がかかってしまい、また一番痛
んでいて、このように破断してしまったのだと思います。
とにかく、今だから言える事ですが、事故がなく本当に良かったで
す。
そして当然、ワタシは自宅へと帰らなければならないため、このポ
ッキリと逝ってしまったロワーアームを直さなければなりません。
そこで、盛藤さんに「お忙しい中本当に申し訳ないのですが、この
ロワーアームを直していただけますか??」と伺ったところ、その
場で快諾してくれて、「翌日の夜までにはなんとか修理します」 と
言ってくれたのです。
いや〜〜〜、マジ嬉しかった!!!!
そして、心強かった !!!!!!!!!
だって、本来なら盛藤さんだって、普段の仕事が入ってるわけじゃ
ないですか。
にも関わらず、突然久しぶりにやって来たと思ったら、こんなロワ
ーアームの折れた状態でフラフラで入って来て、それをまた突然直
してくれだなんて、勝手にもほどがあるのに、盛藤さんはひじょう
に快諾してくれたんですよ。
これには本当に、感動しました。
とりあえず、THE PUSSY WAGONをその場で預けて、ワタシは
福島駅近くのビジネスホテルに宿を取り、修理が上がるのを待つ事
にしたのです。
幸いにして今回は、パソコンは持って行ってましたから、ワタシの
場合パソコンとネット環境さえあれば、どこでも仕事ができます。
なので、盛藤さんから連絡があるまでホテルの部屋で、サクサクと
仕事をしていました。
そして、午前10時半頃盛藤さんからメールが入り「おはようござ
います。修理の状況です。昨日のうちにアーム損傷部は修理済みで
す。今日は補強及び組み付けを致します。そのほか、フレームに若
干のクラックがありましたので溶接で止めておきます。それでは宜
しくお願いいたします。」という文と一緒に、下記の写真が添付さ
れて来たのです。
盛藤さんの手によって見事に直ったロワーアーム。
そう。修理された、ロワーアームの写真です。
あんなにボッキリいってたのに、ここまできれいに修理されてまし
た。
また実は、折れたロワーアームではないもう1本側も(ロワーアー
ムは2本あります) 、負担がかかっていて90度に曲がっていたの
ですが、そちらも綺麗に直ってました。
そして夜6時過ぎに、盛藤さんから「修理終わりました」という電
話をいただき、無事復活したTHE PUSSY WAGONは、再び東北道
にのり自宅まで帰って来られたのです。
これが先週の日曜日に、THE PUSSY WAGONに起こった故障で
す。
カミングアウトついでに、もう一つ言えば7月1日に三重のシュー
ボックスに向かっていた最中にも、フロントのハブベアリングが逝
ってしまい、結局取材にはいけませんでした。
このように、今まで故障知らずだったTHE PUSSY WAGONも、
7月は3箇所も故障してしまいました・・・。
そのためにご迷惑をおかけしてしまった方々、本当に申し訳ありま
せんでした。
今後はですね、まずデスビとハブベアリングに関しては、常にスペ
アパーツをクルマに携帯し、もし同じ症状が出た場合でも対処がで
きるように、対策を取りました。
そして足回りに関しては、すぐにではないのですが、今年の秋にパ
ンプキン・サリーの佐藤さんと相談して、よりヘビーデューティー
になるようアップデートをしていく予定です。
ワタシのTHE PUSSY WAGONは、「どんな事があっても絶対に
故障が原因で止まってはいけない」と思ってました。
世の中のオールドアメリカンが、少しでも冒頭に書いたような偏見
を持たれないようにするには、まずは自分のクルマが国産車並みに
壊れない調子の良いクルマになって、それを一般の人にこそアピー
ルをするべきだ、と・・・・。
しかし、今月立て続けに起きた故障は、まだまだオーナーであるワ
タシの詰めが甘いという事の表れで、これからはさらに最強になれ
るよう、アップデートにつとめていきたいと思ってます。
そのために、ここでこのようにTHE PUSSY WAGONの故障を自
らカミングアウトする事によって、決意表明になればと思い、この
ような長文の記事を書きました。
最後に、 HIROES FACTORYの盛藤さん、そして佐々木
さん、今回は大変、大変お世話になりました。
この場をお借りして、お礼を伝えさせていただきます。
本当にありがとうございました!!!!
PUSSY WAGON撮影
そんな中ワタシは、つい先日創刊されたドイツのホットロッド・
マガジン「INTAKE」からの依頼で、PUSSY WAGONの走行シー
ンの撮影をおこなってきました。
いや〜、どんなにワタシが優秀なホットロッド・フォトグラファー
でも(笑)、自分のクルマの走行シーンだけは自分で撮れませんか
らね〜・・・。
というわけで、クワと、クワのスタッフユキさんにお願いをして、
西湘バイパスにて撮影をして来たのです。
二人とも、忙しい中ありがとうございました。
その写真の一部が、こちら。
ワイド目な魚眼レンズで撮ってもらったため、写真左右の部分がち
ょっとゆがんでますが、ワタシはこのワイド目な写真もけっこう好
きなので、これはこれでアリです。
この他にも、停車時のPUSSY WAGONの、様々なディティールも
たくさん撮影しましたよ。
そう、まるでHARDCORE ROD & KUSTOMの撮影の時のようにね。
なかなか自分のクルマって、そこまでガッツリ撮影する事って意外
にないので、新鮮で楽しかったです。
今日撮影した写真は、CDに落として来週末のビバ・ラスベカスの
会場で、INTAKEの編集長マイケルに渡すつもりです。
どんな風に掲載されるかは、マイケルに一任するとして、今から楽
しみにしていたいと思います。
PUSSY PINSTRIPEリポート
Y WAGONのテールゲート、そしてフード中央、両サイドフェンダ
ーにMr.Gが丸2日かけて、エロティックでクールなPUSSYの
ピンストライプを入れてくれました。
そもそも、このテールゲートの部分は、おととしの12月に、現在
のカスタムペイントをしてもらった時から、ピンストライプを入れ
てもらう予定だったのですが、一番表面に吹いてもらったクリアの
ペイントを、一度研磨して面を整える必要があり、約半年ほど待っ
ていたのです。
しかし、時だけがそのままいたずらに経ち、気がつけばカスタムペ
イントが終わってから、1年3ヶ月も経っていて、「ヤバイ!!この
ままだと、クリアも研がずに、ピンストライプも入らずにまた1年
経ってしまう!!」と思い、急遽今月頭から渡米も決まったため、そ
の渡米してる間にパンプキン・サリーさんにてクリアの研磨をお願
いして、まずは表面のお肌をツルツルにしてもらったのです。
なんせピンストライプは、クリアの上にペイントがのる訳ですから、
ピンストライプを入れてもらった後に研磨なんかした日にゃあ、大
変な事になってしまいますからね。
という訳で、ここからはたくさんの写真を使って、ピンストライプ
を入れてもらった模様をリポートしていきましょう。
Mr.Gの、すばらしい職人技に酔いしれてください。
これは、テールゲートに入れられた
デザインのラフスケッチです。
ピンストライプを入れる前には
必ずボディ表面の汚れを拭き取ります。
ラフを見ながらダーマトペンで
ある程度の下書きをしていきます。
左で撮影をしているのはアメリカ人
フリーライターのマイクさんです。
すばらしいペースでどんどんと
ピンストライプが入れられていきます。
楽しそうな表情のMrG。
やっぱり仕事は楽しんでやらないとね。
たくさんの色を使って
描いてくれました。
さらにダーマトで追加の
ラインを引いていきます。
とりあえず初日にテールゲートは
完成しました。う〜ん・・・ヤバイです。
つづき
そしてここからは、2日目の写真です。
2日目は、フードの中央、そして左右のフェンダーにもラインを入
れてもらいました。
フードに最初のラインを入れた瞬間です。
まだまだ途中です。
あまりこの角度から撮影する事って
ないのであえて上から撮ってみました。
増やしていくラインを
検討するMr.G。
そしてさらに付け加えら
れたのがこちらです。
お次ぎはフェンダーのピンストライプです。
最初にパーブルが描かれ・・・
次にマジェンタ、バイオレット、グリーン
などがのせられていきます。
そしてついに完成です!!
フード部分がこちら。
フェンダー部分がこちら。
そして最後に運転席側のドアに
「The PUSSY WAGON」のレタリング
を入れてもらいました。
これはCalifornia Kidから得たヒントです。
というわけで、Mr.Gの素晴らしいテクニックとセンスのピンス
トライプで、さらにこのPUSSY WAGONが美しく、そして妖しく
彩られたのです。
またどこかで、さらにパワーアップしたPUSSY WAGONを目にし
た際には、これらのピンストライプをぜひご覧になってください。
Mr.G!!どうもありがとう!!
これからも、ガンガンと走り続けましょう!!
Mr.Gインフォメーション
WEB:http://www.mr-gkrazyart.com/
E-MAIL:mr.gart@nifty.com
TEL:090-3601-9723